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2025/07/15

「高畑勲展」に見る、展示会の“伝え方”

こんにちは。

【シニアPRディレクター】のMです。

2018年に鬼籍に入られたアニメーション映画の巨匠・高畑勲監督。
その創作の軌跡をたどる展示会『高畑勲展―日本のアニメーションを作った男―』に行ってきました。

 

私はジブリ作品が大好きで、もちろん高畑監督の作品も何度も繰り返し観てきました。
この展示会では、彼の革新的な映像表現への挑戦、そして作品に込めた思想が、

文字・映像・絵コンテなど様々な形で丁寧に紹介されていて、

時間を忘れ…、気づけば2時間半も滞在していました。

展示を堪能できた理由のひとつに、
「フォトスポットがなかったこと」ではないかと、ふと思いました。
最近の展示会では、SNS拡散を意識した“フォトスポット”の設置が当たり前になっています。
実際、それはPR的には非常に有効です。
来場者が各自のSNSで写真を発信することで、展示会の宣伝が広がっていきます。
お客さんにプロモーションをしていただく。
今の時代にマッチしたプロモーション戦略と言えると思います。

しかし、展示会を“ひとつの世界に浸る場”と捉えている私のようなタイプにとっては、
フォトスポットでの写真撮影が目的になってしまうようなコンセプトの展示会に、
実は違和感を抱いていたことに、気づきました。

今回の『高畑勲展』では、写真撮影が一切NG。
その分、目の前の展示物にだけ集中でき、解説をじっくり読み、音声ガイドに耳を傾けながら、
高畑勲監督の“思想”や“作品”とじっくり向き合い、その世界観に没入できました。

もちろん、SNS時代の展示会運営においてフォトスポットの活用は大切ですし、
多くの人にとって、“写真を撮って共有する”こと自体が展示会の楽しみのひとつになっているのも事実です。

ただ今回の『高畑勲展』は、監督の思想を伝えることがテーマだったからこそ、
あえて「撮れない空間」にすることで、
“感じること”に集中できる展示設計になっていたと思います。

どちらが正解ということではなく、
展示会を通じて「何を伝えたいのか」「来場者にどう感じてほしいのか」。
その目的やコンセプトによって、見せ方は変えるということを学べた気がしました。

 

高畑勲展は、麻布台ヒルズギャラリーで9月15日まで。ジブリ好きの方は、是非!

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