こんにちは。
【アシスタントPRディレクター 兼 管理栄養士】のNです。
くるみやカシューナッツなど、「木の実類」のアレルギーを起こす人が増えており、アレルギーの原因食物では、卵に次いで2番目に多いという報告があります。これを受けて、消費者庁は2025年度中にカシューナッツを「特定原材料」に指定し、アレルギー表示を義務付ける食品に加える方針を示しています。
みなさんは日常的にナッツ類を食べていますか?手軽に栄養をとれるとして人気が高まっているナッツ類は、下記の通りこの10年で輸入量も大きく増えています。
木の実類の輸入量 | 2011年 | 2023年 |
くるみ | 9,872t | 18,933t |
カシューナッツ | 6,190t | 13,607t |
ピスタチオ | 2,151t | 3,131t |
風味を良くするために、ナッツ類を様々な食品へ粉末やペーストのように形を変えて目に見えない形で使用されていることも多く、知らぬ間に摂取してしまい、アレルギーを発症する例は近年増えているそうです。
また、表示の対象となるアレルゲンは下記の通り2種類に分類されています。食物アレルギーの原因物質は、時代の変化と共に変わっていく可能性があるため、適宜見直しを行っています。
・「特定原材料」:食品表示基準で表示を義務付けるもの。
えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)の8品目。
・「特定原材料に準ずるもの」:通知で表示を推奨するもの。
アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・マカダミアナッツ・もも・やまいも・りんご・ゼラチンの20品目。
※2025年3月時点
現在、カシューナッツは「特定原材料に準ずるもの」に分類されていますが、それを「特定原材料」へ追加し、さらに、ピスタチオを「特定原材料に準ずるもの」へ追加することが検討されているそうです。
中にはアレルゲンを摂取することで、血圧低下や意識不明といった重篤な「ショック症例」に至る可能性もあるため、食物アレルギーがある方は、加工品の原材料表示を十分に確認することが大切です。
【参考文献】
・朝日新聞 2025年2月25日(火)朝刊23面 「人気上昇『木の実類』アレルギー急増」
・消費者庁 「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック」